札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
スクワットは、太もも前の大腿四頭筋・太もも内側の内転筋群・お尻の大臀筋など、主に下半身の筋肉を鍛えることができ、ジャンプ力やスプリント力 (疾走能力) の増加にも効果的で、ボディメイクからスポーツ競技力向上に至るまで、まさに幅広い層にとって有益なエクササイズとして知られています。
一方、スクワットで得られる効果は、しゃがむ深さによって異なるとの報告がなされており、浅いスクワットよりも深いスクワットの方が、筋肉量・筋力・パフォーマンスなどに有利な影響を及ぼすようです (1) 。
そのため、スクワットを行う場合は、無理に高重量を担いでしゃがみを浅くするのではなく、コントロール可能な重量を担いでしゃがみを深くすることが推奨されています。
しかし、スクワットで深くしゃがむと「大きな負荷・負担が生じ、膝関節を痛める危険性が考えられる」という意見を聞くこともあり、どうすれば良いのかお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は「【深いスクワット】スクワットで深くしゃがむと膝を痛めるは本当か?」というタイトルで記事を書いていきます。
結論
2024年つい最近、深いスクワットが膝関節に対してどのような影響を及ぼすのか? を調べたレビューが公開されました。
Impact of the deep squat on articular knee joint structures, friend or enemy? A scoping review
内容を超簡単にまとめると、これまでに発表された論文をリストアップして、深いスクワットと膝関節におけるケガの関係性を調査しています。
最終的に、そのうちの15本が選定の基準を満たしたとのことですが、悪影響を及ぼす可能性を示唆した研究はわずか「1本」のみであり、残りの「14本」の研究は悪影響を及ぼさない、つまり「深いスクワットは膝関節にとって安全な運動である」と示したみたいです。
※ ちなみに、ここでの深いスクワットとは、一般的に知られる「フルスクワット (太ももが床と平行になるくらいまで) 」を指していると捉えていただければ問題ないかと。
とは言えど「深いスクワットでは絶対に膝関節を痛めない」というわけではありません。
ここからは、個人的な経験論も含め「深いスクワットでも膝関節の健康を保つ6つの注意点」に触れていきたいと思います。
6つの注意点
① 適切なフォームでの実施を心がける
② 自分のレベルに合った重量を扱う
③ やりすぎには気を付ける
④ 特に下肢の柔軟性を高める
⑤ ハムストリングの強化種目を取り入れる
⑥ 既往歴や病歴などに配慮する
1つ目が「適切なフォームでの実施を心がける」です。
具体的には、しゃがんだとき膝がつま先よりも内側に入らないようにしたり、どちらかの足にだけ荷重がかからないようにしたり、といったところでしょうか。
この点をしっかり守るだけで、傷害のリスクはグーンと下がる印象を受けます。
2つ目が「自分のレベルに合った重量を扱う」です。
ここでの自分のレベルに合った重量とは「適切なフォームを維持し動作を完遂できる重さ」を意味しています。
「ハーフならいけるけどフルは厳しい。。」は重すぎだと判断しましょう。
3つ目が「やりすぎには気を付ける」です。
疲労は思っているよりも溜まるもので、必ず休息日や上限を設けましょう。
回復を間に合わせるためには、勇気を持って休むことも大切になります。
4つ目が「下肢の柔軟性を高める」です。
例えば足首の硬さは「しゃがんだとき膝がつま先よりも内側に入る」通称「ニーイン」との関係性が確認されています (2) 。
日々の生活に、ストレッチを取り入れてみても良いかもしれません。
5つ目が「ハムストリングの強化種目を取り入れる」です。
意外かもしれませんが、スクワットでは浅かろうと深かろうと、太もも後ろのハムストリングを鍛えることはほぼできません。参照⇨「効かない? スクワットでハムストリングスを鍛えることはできない?」
ルーマニアンデッドリフトやレッグカールを取り入れて、表と裏のバランスを整えてみてください。
最後が「既往歴や病歴などに配慮する」です。
いくらこれまでの5点に注意しても、もともと傷んでいるのであれば、どうしても痛みは生じてきます。
医師・治療家の判断を仰ぎ、そのうえでトレーニングを実施しましょう。
最後に
今回は「【深いスクワット】スクワットで深くしゃがむと膝を痛めるは本当か?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
ここに記載した内容が全てではありませんが、試す価値は十分にあるかと思います。
次回作もご期待ください。
参考文献
(1) Effect of range of motion in heavy load squatting on muscle and tendon adaptations
(2) Muscle strength and flexibility characteristics of people displaying excessive medial knee displacement