札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
適切にトレーニングを実施すると筋力や筋肉量はみるみる増加しますが、その要因の1つに「成長ホルモン」が挙げられることがあります。
成長ホルモン(せいちょうホルモン、英: growth hormone、GH)は、脳下垂体前葉のGH分泌細胞から分泌されるホルモンである。ヒト成長ホルモンは特にhGH(英: human GH)と呼ぶ。
Wikipediaより引用
トレーニングを行うことによって成長ホルモンの分泌が促進され、それが筋の成長に貢献するという流れです。
しかしこれ、本当なのでしょうか?
今回は「【筋トレ】成長ホルモンは筋力や筋肉量を増加させる効果があるって本当?」というタイトルで記事を書いていきます。
結論
成長ホルモンがトレーニングの効果増に一切貢献しないとは言いませんが、影響を及ぼすことはほぼ皆無かと思われます。
以下が解説です。
成長ホルモンとトレーニングの効果について
Effects of rest intervals and training loads on metabolic stress and muscle hypertrophy
この研究では、少なくとも過去2年間に渡ってトレーニング経験のない若年男性を対象に「30秒グループ」と「3分グループ」に分け、上肢を鍛えるプログラムを週3回の頻度で8週間実施し、成長ホルモンが筋力や筋肉量に及ぼす影響についてを調べています。
30秒グループは「セット間に30秒の休憩を挟むグループ」で、負荷は軽めにし限界までを3セット、3分グループも「セット間に3分の休憩を挟むグループ」で、負荷は重めにし限界までを3セット、です。
採用されたエクササイズは、バーベルカール・プリーチャーカール・ハンマーカール・クローズグリップベンチプレス・フレンチプレス・ダンベルエクステンションの6つで、前者3つは上腕二頭筋を、後者3つは上腕三頭筋を強化する種目になっています。
毎セッションの前後に血液を採取し成長ホルモンの分泌量を測定、かつ8週間のトレーニングプログラム前後でも筋力や筋肉量の変化を記録しました。
結果は下の通り。
30秒グループ | 3分グループ | |
成長ホルモン | + 約50% | ー |
筋力 | ー | + 約8% |
筋肉量 | + 約10% | + 約5% |
・成長ホルモンは「30秒グループ」で有意に増加したが「3分グループ」では変化が見られなかった。
・筋力 = 上腕二頭筋の最大出力は「30秒グループ」では変化が見られなかったが「3分グループ」で有意に増加した。
・筋肉量 = 上腕の筋断面積は「30秒グループ」「3分グループ」両グループで有意に増加し、グループ間で差は確認されなかった。
まず、この研究では「セット間に30秒の休憩を挟むグループ」と「セット間に3分の休憩を挟むグループ」の2つを作り、成長ホルモンが筋力や筋肉量に及ぼす影響についてを調べています。
セット数やエクササイズは両グループとも同じで、異なる点は扱う負荷・反復するレップ数、そしてセット間休憩時間です。
下の表は各グループにおけるセットごとのレップ数を表したものですが、
< バーベルカール > | 30秒グループ | 3分グループ |
1セット目 | 24回 | 9回 |
2セット目 | 16回 | 8回 |
3セット目 | 11回 | 8回 |
< ダンベルエクステンション > | 30秒グループ | 3分グループ |
1セット目 | 19回 | 11回 |
2セット目 | 13回 | 10回 |
3セット目 | 10回 | 9回 |
このようになっており「30秒グループ」は最大20回前後できる重さを「3分グループ」は最大10回前後できる重さを使用しています。
そして結果は、
・成長ホルモンは「30秒グループ」で有意に増加したが「3分グループ」では変化が見られなかった。
・筋力 = 上腕二頭筋の最大出力は「30秒グループ」では変化が見られなかったが「3分グループ」で有意に増加した。
・筋肉量 = 上腕の筋断面積は「30秒グループ」「3分グループ」両グループで有意に増加し、グループ間で差は確認されなかった。
とのことでした。
もし仮に、成長ホルモンが筋力や筋肉量に貢献するのであれば、どちらの測定項目も30秒グループの方でより大きな増加が生じても不思議ではありません。
しかしながら、筋力はむしろ3分グループでのみ有意な増加が確認されています。
また、筋肉量に関しては30秒グループの方が3分グループより増加している傾向は感じるものの、こちらも差は見られなかったみたいです。
12週間とか16週間とか、もっと長い研究期間であれば筋肉量増加にグループ間で違いが認められるかもしれませんが、ここで注目したいのが下のグラフになります。
このグラフは、成長ホルモン分泌量と筋肉量増加率の関係を表したもので ◇ は各参加者を示しており、両グループとも成長ホルモンの分泌量と筋肉量の増加率に相関はないことがわかりました。
もし仮に、成長ホルモンの分泌量が筋肉量の増加率に貢献するのであれば、
こんな感じのデータが得られても良いはずですが、実際そうはなっていません。
結論としては「成長ホルモンはトレーニングの効果に影響を及ぼさない可能性が示唆された」とまとめられます。
これと似たような研究はいくつか行われているのですが、それらを眺める限り「成長ホルモンは筋力や筋肉量を増加させる効果がある」とは言えない印象です。
最後に
今回は「【筋トレ】成長ホルモンは筋力や筋肉量を増加させる効果があるって本当?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。