札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
つい先日、お客様から「お酒を飲むと、トレーニングの効果が落ちたり、筋肉量が減少するって聞いたことがあるんですけど、これって本当ですか?」とのご質問をいただきました。
今回は「お酒は飲んじゃダメ? アルコールが筋トレや筋肉に及ぼす影響について」というタイトルで記事を書いていきます。
結論
最初に結論からお伝えしますと、その可能性は十分に考えられます。
しかし「ビールを何杯飲んだらこれくらいトレーニングの効果が落ちます。日本酒を何杯飲んだらこれくらい筋肉量が減少します」と明言することはできないのが現状です。
アルコールが筋トレや筋肉に及ぼす影響について
まず、飲酒が筋肥大や筋力向上といった「長期的な」トレーニングの効果にどのような影響を及ぼすのかについてを調べた研究は、私が把握している限り1件も実施されていません。
しかし、2014年と少し前の古いものではありますが、飲酒がトレーニング終了2 〜 8時間後における「筋タンパク質の合成率」にどのような影響を及ぼすのかについてを調べた研究は実施されています。
※ 筋タンパク質の合成とは、タンパク質を筋肉に取り込む = 「筋肉を成長・修復させるプロセス」だとお考えいただければ問題ありません。
Alcohol Ingestion Impairs Maximal Post-Exercise Rates of Myofibrillar Protein Synthesis following a Single Bout of Concurrent Training
ザックリ内容を説明すると、レッグエクステンションによるトレーニング終了後に、
・25gのタンパク質を直後と4時間後の2回摂取 (PRO)
・25gのタンパク質を直後と4時間後の2回摂取 + 飲酒 (ALC-PRO)
・25gの炭水化物を直後と4時間後の2回摂取 + 飲酒 (ALC-CHO)
上記3条件における、筋タンパク質の合成率を測定しました。
その結果がこちらです。
タンパク質だけを摂取したPROと比較して、飲酒を追加した2条件では、どちらも筋タンパク質の合成率が有意に低下しているのが確認できます (Restは安静時を示したもの) 。
その低下率は、PROを基準とした場合、ALC-PROで「24%」ALC-CHOで「37%」とのことです。
先ほど触れた通り、筋タンパク質の合成は、筋肉を成長・修復させるプロセスですので、これが低下すると、長期的なトレーニングの効果に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。
しかし、この研究では「体重1kgにつき1.5gのアルコール」に設定されており、体重70kgの方が仮にビールを飲むとすると、350ml缶では「約7缶」に相当するものです。
飲酒によって、トレーニングの効果が落ちる可能性は確かにあるのですが、ごく一般レベルと言いますか、皆様の状況にもこの研究結果が当てはまるとは全く限りません。
次に、飲酒量が筋肉量の減少に及ぼす影響ですが、これについてはよくわかりません。
例えば、アルコール依存症の患者では、筋肉量の減少が確認されたとの報告がなされていますが (1) 、一方で「筋肉量は、中程度の飲酒量を嗜む人で最も多かった」とのデータがあったりもします (2) 。
また面白いのは、握力は意外にも、飲酒量に応じて増加傾向が見られたようです (2) 。
しかし、飲酒量が多すぎると筋肉量を減少させる可能性は示唆されており、ごく一般レベルを超えたアルコールは、悪影響を及ぼすものと思われます。
最後に
今回は「お酒は飲んじゃダメ? アルコールが筋トレや筋肉に及ぼす影響について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
お酒を飲むと、トレーニングの効果が落ちたり、筋肉量が減少する可能性は十分に考えられますが、現段階では残念なことに、具体的な摂取ラインを明言することはできないのが現状です。
しかし、個人的な経験論としては「種類問わず、1 〜 2杯程度少量のアルコールであれば、そこまで筋トレや筋肉に悪影響を及ぼす心配をしなくても良いのではないか?」という印象を受けます。
次回作もご期待ください。
参考文献
(1) The effects of alcoholism on skeletal and cardiac muscle
(2) Alcohol Consumption and Measures of Sarcopenic Muscle Risk: Cross-Sectional and Prospective Associations Within the UK Biobank Study
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