札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「限界まで vs. 余力を残す筋トレ トレーニングの効果はどちらが大きい?」というタイトルで記事を書いていきます。
限界まで vs. 余力を残す
Without fail: Muscular adaptations in single set resistance training performed to failure or with repetitions-in-reserve
研究内容をザックリ書き出します。
トレーニング経験者を対象に、彼らを「限界まで追い込むグループ」と「2回の余力を残すグループ」に分けた。
プログラムは、1セッションにつきラットプルダウン・ケーブルロー・マシンショルダープレス・チェストプレス・プッシュダウン・アームカール・スミスマシンスクワット・レッグプレス・レッグエクステンションの9エクササイズで構成され、8 〜12RM・1セット・エクササイズ間休憩2分、週2回の頻度で8週間実施した。
トレーニング前後で、筋力・ジャンプ力・筋肉量がどのように変化するのかを調べた。
限界まで | 余力を残して | |
スクワット | + 13.2% | + 12.4% |
ベンチプレス | + 6.9% | + 6.4% |
ジャンプ力 | + 6.0% | + 1.4% |
中間広筋30 | + 5.7% | + 3.3% |
中間広筋50 | + 8.2% | + 3.8% |
中間広筋70 | + 9.5% | + 4.6% |
外側広筋30 | + 4.2% | + 2.5% |
外側広筋50 | + 6.3% | + 4.6% |
外側広筋70 | + 6.3% | + 6.2% |
上腕二頭筋 | + 2.7% | + 4.5% |
上腕三頭筋 | + 3.8% | + 1.2% |
結果、両グループで筋力・ジャンプ力・筋肉量は増加したが、グループ間で有意差は確認されなかった。
この研究では、経験者を対象に「限界まで追い込む」と「2回の余力を残す」の2グループに分け、週2回の頻度で8週間のトレーニングを実施しています。
プログラムですが、いわゆる「マシントレーニング」が行われており、ラットプルダウンでは背中、チェストプレスでは胸、スミスマシンスクワットでは脚といったように、全身を満遍なく鍛えたみたいです。
各種目は、8 〜12回できる重さに設定され、それぞれを1セット、エクササイズ間の休憩時間は2分になっています。
なお、グループの概要は以下の通りです。
限界まで追い込む:もう1回も上がらないところでストップ。
2回の余力を残して:参加者自身が「あと2回はできる」と主観的に感じたところでストップ。
そして、トレーニング前後で、筋力・ジャンプ力・筋肉量がどのように変化するのかを調べたわけですが、結果は「両グループで増加が確認されたものの、グループ間で有意差はなかった」となりました。
筋力は、スミスマシンによるスクワットとベンチプレスの最大挙上重量、ジャンプ力は垂直跳び、筋肉量は大腿四頭筋 (中間広筋と外側広筋) ・上腕二頭筋・上腕三頭筋の厚みで測定しています。
ちなみに、中間広筋と外側広筋には「30・50・70」と数値が記載されていますが、これは膝関節に近い部位 (30) 、真ん中の部位 (50) 、股関節に近い部位 (70) を表したものです。
個人的な感想
これと似たような報告はいくつかなされているのですが、それらを眺める限り「限界まででも余力を残すでも、ほぼ同等のトレーニング効果を得られる」という印象を受けます。
とは言えど「限界まで vs. 余力を残す トレーニングの効果が大きいのはどちらか?」的な話題は、トレーナーの間でも度々挙がるのですが、現段階ではどちらが良いのか、はっきりお答えできないのが現状です。
確かに、先ほど紹介した研究では「両グループで筋力・ジャンプ力・筋肉量は増加したが、グループ間で有意差は確認されなかった」という結果でしたが、これは「週2回・8週間・8 〜12RM・1セット・エクササイズ間休憩2分」というデザインでの話に過ぎません。
統計的に有意な差が確認されていないだけで、限界まで追い込んだ場合の方が2回の余力を残した場合よりも、わずかながらもその改善は全体的に大きい傾向が見られますので、例えば「週2回の頻度で8週間」ではなく、ペースを増やした「週3回の頻度で8週間」であったり、期間を延ばした「週2回の頻度で12週間」などでは「前者が優れていた」という結論になっていた可能性が考えられます。
また、重さ・回数・セット数・セット間およびエクササイズ間休憩時間が変われば「限界まで追い込んだ場合よりも2回の余力を残した場合の方が、トレーニングの効果は大きかった」という結論になっていたかもしれません。
しかし、個人的な経験論も合わせると、限界まで追い込もうと2回の余力を残そうと、ごく一般的だと思われるトレーニングであれば、そこまで大きな違いは出ないような気がします。
最後に
今回は「限界まで vs. 余力を残す筋トレ トレーニングの効果はどちらが大きい?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。