札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
ダイエット目的で、日常的にウォーキングやランニングを行われているお客様から「体脂肪は、運動開始20分後から燃え始めるというセリフを耳にしたのですが、これって本当ですか?」とのご質問を受けました。
今回は「20分以下の有酸素運動に意味はない? 体脂肪が燃焼しないって本当?」というタイトルで記事を書いていきます。
結論
最初に結論からお伝えしますが、そんなことはありません。
20分以下の有酸素運動でも当然意味はありますし、体脂肪はしっかり燃焼します。
※ ここから詳細を解説していきますが、内容をわかりやすくしている関係で「間違ってはいないけど適切とは言えない」という表現があるかもしれません。
ATP
まず、私たちが身体を動かす = 運動を行うためには「ATP (エーティーピー) 」と呼ばれる物質が必要になります。
私たちにとってのATPは、車でいうところのガソリンだとお考えいただければOKです。
ATPは、体内いたる所に存在しているのですが、その貯蔵量は極めて少なくなっており、常に生成され続けています。
運動をする ⇨ ATPがエネルギーとして利用される ⇨ ATPが無くなる ⇨ 新たなATPが作り出される ⇨ 運動をする
⇧こんな感じです。
ではこのATP、いったい何を材料にして生成され続けているのかというと、それがよく聞く「糖質」や「脂質」になります。
糖質や脂質は、新たなATPを作り出すための「元」になるということです。
運動強度による糖質と脂質の利用について
先ほどお伝えした通り、ATPは糖質や脂肪から作り出されるわけですが、どちらを主な材料として使用するかは、その運動強度によって変わってきます。
上のイラストは、非常に簡易なものになるのですが、横軸が運動強度・縦軸が供給割合・赤線が糖質、青線が脂質、左に寄るほど運動強度は低く、右に寄るほど運動強度は高く、ウォーキングなどあまり疲れない運動は左寄り、ランニングなど比較的ハードな運動は右寄りだとイメージしてください。
よって、運動強度の低いウォーキングでは、ATPの生成において糖質と脂質が約50%ずつの割合で使用され、運動強度の高いランニングでは、ATPの生成において糖質の方が脂質よりも高い割合で使用されることになります。
運動時間による糖質と脂質の利用について
先ほどお伝えした通り、運動強度でATPの作り出され方は違うわけですが、たとえ同じ運動であったとしても、経過時間によっては、糖質と脂質における使用割合が変化することがあります。
上のイラストも、非常に簡易なものになるのですが、ウォーキング中のエネルギー供給率を表したもので、横軸が経過時間・縦軸が供給割合・赤線が糖質、青線が脂質、左に寄るほど経過時間は短く、右に寄るほど経過時間は長くなるとイメージしてください。
開始直後は「糖質 > 脂質」でエネルギーに使用されていますが、時間が経つにつれ「糖質 < 脂質」にシフトしているのが確認できるかと思います。
冒頭で触れた「体脂肪は、運動開始20分後から燃え始める」というセリフは「体脂肪は、運動開始20分後 (くらい) から “より” 燃え始める」が正確で、決して「20分以下の有酸素運動に意味はない。体脂肪が燃焼しない」というわけではありません。
皆様も周りにも、一切の運動を行わずして、ダイエットに成功された方がいらっしゃるかと思いますが、体脂肪はこの文章を読まれている今この瞬間にも燃焼しています。
最後に
今回は「20分以下の有酸素運動に意味はない? 体脂肪が燃焼しないって本当?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
参考文献
Fox E.L. 渡辺和彦訳 : スポーツ生理学
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