札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
トレーニングでは、バランスボールやバランスディスクなど、あえて不安定なところで行うエクササイズは別にして、安定した状態で負荷をかけるのが基本です。
例えば、スクワットでグラついたりすると、適切な重量を扱えず効果が落ちたり、転倒して怪我に繋がる危険性も考えられます。
今回は「トレーニングの安定性に関わる支持基底面と重心について」というタイトルで記事を書いていきます。
安定性に関わる要因について
安定性に関わる要因には「支持基底面」と「重心」の2つがあります。
支持基底面は「接地している部分とそれらが囲む範囲」のことです。
左上、直立する女性の支持基底面は、右上、赤色の部分になります。
次に、重心は「物体の中心点」のことです (かなり簡単に噛み砕いて説明しています) 。
私たちヒトの重心は、手を下ろした直立姿勢で、身長の55 〜 56%の高さにあり、おおよその位置ではおへその下あたりになります。
重心は「物体」の中心点ですので、例えば手を動かしたり身体を倒したりすれば (物体の形状を変えれば) 、それに伴って位置も変わります。
支持基底面と重心
支持基底面と重心を確認できたところで、ここから本題に入りますが、いわゆる「安定している」状態を作り出すためには、支持基底面の内側に重心 (厳密には重心線) を収める必要があります。
※ 重心線は、重心から真下に引いた線のこと。
見方を変えると、たとえどんなヘンテコな姿勢であったとしても、それで安定しているのであれば、支持基底面の内側に重心が収まっているということです。
一方で、支持基底面の外側に重心が外れた状態では、筋力や柔軟性・運動神経等一切関係なく、物理的に安定を得ることは不可能です。
よって、トレーニングを行う際、より安定性を高めたいのであれば、
・支持基底面を大きくし、重心が外側に外れにくくする。
・支持基底面の中心に (中心に近いところに) 、重心を収めるようにする。
という2点が重要になります。
トレーニングへの応用
安定性に関わる要因には、支持基底面と重心の2つがあるわけですが、これらを理解しておけば、トレーニングへの応用を利かせ、質を高くすることも可能です。
例えばスクワットでは、基本的に「お尻を後ろに突き出すようにしゃがみましょう」と指導されます。
お尻を後ろに突き出す、つまり股関節を屈曲させることで、ハムストリングスの動員を促し、脛骨を引っ張り、膝関節に生じる剪断力を減少させ、膝へ負担を抑えることができるためです。
が、このとき、後方に転倒しそうになる方をよく見かけます。
これは、上半身が起き上がったままお尻を後ろに突き出したことで、支持基底面の後ろ側に重心が外れそうになっているのが原因です。
そんなときは「上半身を折りたたむような意識をしましょう」と声がけすると、大抵の場合、たちまちバランスが取れ安定します。
上半身を折りたためば、それに伴って重心の位置が前方に移動し、結果支持基底面の内側に収めることができます。
最後に
今回は「トレーニングの安定性に関わる支持基底面と重心について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
例えば「片足立ちと両足立ち、どちらが安定しますか?」と聞くと、まず間違いなく後者を選択されるかと思います。
もうすでに、体感でわかっているはずです。
この理由を、詳しく言語化すると「片足立ちと両足立ちにおいては、支持基底面の大きさが異なり、片足立ちよりも両足立ちの方が大きい。片足立ちでは、ほんの少しのぐらつきで、支持基底面の外側に重心が外れてしまう可能性が高いが、両足立ちでは、そのようなことは起きづらい。よって、片足立ちよりも両足立ちの方が安定性が高くなる」となります。
もちろん、こういった知識を知らずとも、トレーニングに打ち込むことは十分に可能です。
しかし、このようにメカニズムを理解しておけば、使い方次第ではあるものの、トレーニングの質はグーンと高まります。
次回作もご期待ください。