札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「トレーニングの効果はいつ頃から出るのか? 筋トレの成果を感じる期間について」というタイトルで記事を書いていきます。
結論
はじめに結論からお伝えしますと「筋肉がついた」とか「力がついた」とか、そういったトレーニングの主たる効果が出るまでの期間は、その個人・その状況によって大きく変わるのですが、世間一般で言われている通り「2 〜 3ヶ月くらいはかかる」と思っていただくことをオススメしています。
筋断面積・筋力は10日もあれば増加する?
トレーニングの効果が出るまでの期間を調べた研究は、これまでいくつか実施されており、例えば (1) では、20歳前後の若年男女を対象に、太もも前の筋肉 (大腿四頭筋) を鍛えるレッグエクステンションを、週3回の頻度で35日間行ってもらい、10日目・20日目・35日目に、筋断面積や筋力がどのように変化するのかを調べています。
上のグラフはその結果なのですが、見ていただきたいのは▲CSAと、◾️MVCです。
▲CSAは筋断面積、つまり「筋肉がどれくらいついたか?」を表しており、10日目で微増、20日目には有意に増加しているのがお分かりになるかと思います。
一方、◾️MVCは筋力、つまり「力がどれくらいついたか?」を表しており、10日目から有意に増加、その後は少し勢いが収まっているものの、止まることなく増え続けているのが確認できます。
この研究結果を見る限りでは、世間一般で言われている2 〜 3ヶ月よりも、もっと早い段階でトレーニングの効果は出ていると言えそうです。
トレーニングの効果が出るまでは「2 〜 3ヶ月くらいはかかる」と思っておいた方が良い
先ほど、筋断面積・筋力は10日もあれば増加するという研究を紹介しましたが、この報告はこの研究デザインがあってのことで、20歳前後の若年ではなく65歳以上の高齢であったり、太もも前の筋肉を鍛えるレッグエクステンションではなく前腕の筋肉を鍛えるリストカールであったり、週3回ではなく週1回であったり、みたいに条件が変われば、これとは全く違った結果になっていた可能性が十分に考えられます。
また、そもそもトレーニング初期における筋断面積の増加は、純粋に筋肉がついたのではなく「むくみで筋肉が一時的に膨張しただけ」 (edema-induced muscle swellingと呼ばれます) という可能性が示唆されていたりします (2) 。
またまた、例えばスクワットやベンチプレスといったフリーウエイトに挑戦したばかりの方は、特にトレーニング初期において、挙上重量の著しい向上を経験することになるかと思うのですが、これは筋力が増加したというよりかは (もちろんそれもあるかもしれませんが) 「スクワットで力を入れるコツがわかった」「ベンチプレスのフォームが安定してきた」みたいに、違う要因が理由となっているかもしれません。
そのため、あくまでも個人的な意見ではありますが、本当の意味でと言いますか、しっかりとしたトレーニングの効果が出るまでは「2 〜 3ヶ月くらいはかかる」と思っておいた方が良いかな、という印象です。
2 〜 3ヶ月あれば、基本的には「筋肉がついた」とか「力がついた」とか「ボデイラインが絞れてきた」とか「階段の上り下りが楽になった」とか、何らかの変化を感じられますし、それくらいの期間がかかるものだと最初から認識しておけば、継続率やモチベーションの維持にも悪い影響はないでしょう。
そして、もし2 〜 3ヶ月経っても特別変化を感じられないのであれば、取り組んでいるメニューや食事内容を今一度見直した方が良いかもしれません。
最後に
今回は「トレーニングの効果はいつ頃から出るのか? 筋トレの成果を感じる期間について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
参考文献
(1) Early skeletal muscle hypertrophy and architectural changes in response to high-intensity resistance training
(2) Early resistance training-induced increases in muscle cross-sectional area are concomitant with edema-induced muscle swelling