札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
皆様も幾度となくご経験していることでしょうが、運動をした次の日なんかには、筋肉痛が来ることがあります。
特にトレーニング後の筋肉痛は凄まじいもので「その日一日中歩きにくかった。何なら次の日もキツかった」なんてことも珍しくはありません。
しかし、その強かった筋肉痛も、トレーニングを重ねればいつかは弱くなることがあり「あれ?筋肉痛ほとんど来ていないな。昨日のトレーニング、上手く出来ていなかったんだろうか?」と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は「【意味がない?】筋肉痛が来ないとトレーニングの効果がないって本当?」というタイトルで記事を書いていきます。
筋肉痛とは?
本題に入る前に、まずは筋肉痛について確認をしていきましょう。
筋肉痛に関しての研究はいくつも行われており、まだよく分からない部分はあるものの、それでもかなり多くのことが分かってきています (1) 。
例を挙げると、
・筋肉痛は、一般的に遅発性筋肉痛 (その瞬間ではなく、後に遅れてやってくる筋肉痛) のことを指しており、伸長性の筋活動を伴う動作や、慣れていない運動・久しぶりの運動で発生すると考えられている。
・筋肉痛は通常、運動後1 〜 3日でピークに達する。
・筋肉痛の原因は正確には分からないが、筋肉の損傷、筋結合組織・腱付着部との断裂が示唆されている。
・ヒスタミン・カリウムなどの物質による痛みの感覚受容器への刺激、活性酸素なども筋肉痛と関わっている可能性がある。
・その運動に慣れることで筋肉痛は薄れていくが、これは「repeated bout effect (繰り返し効果) 」と呼ばれており、そのメカニズムは明らかになっていない。
みたいな感じです。
このトピックに関して話をすると、何万字とかなり長くなるためここらで止めておきますが、いつか違う記事でもっと詳しく紹介できればと思います。
では、ここからが本題です。
筋肉痛が来ない ≠ トレーニングの効果がない
これまで、筋肥大 (筋肉をつけること) に関しての研究はいくつも行われており、筋肉をつけるための要素としては、今現在一般的に以下の3つが提唱されています。
・mechanical tension (メカニカルテンション)
・metabolic stress (代謝ストレス)
・muscle damage (筋肉の損傷)
これらの要素がうまく組み合わさり、効果的に筋肉をつけることができるとお考えください。
そして、今回着目したいのは、一番下にある「筋肉の損傷」です。
先ほどお伝えした通り、筋肉痛の原因の1つとして、筋肉の損傷が示唆されています。
しかし、ここで最も重要なのは「筋肉が損傷している」=「筋肉痛がある」とは限らない点です。
「筋損傷の程度と筋肉痛の程度には、比例関係が確認されなかった」という報告があるのです。
そのため「筋肉痛がある」→「筋肉が損傷している」→「筋肉がつく」という状況が起こり得る一方、先述した repeated bout effect (繰り返し効果) の影響もあり「筋肉痛がない」→「でも筋肉は損傷している」→「筋肉がつく」という状況が起こり得ます。
また「筋肉痛がない」→「筋肉が損傷していない」が仮に成り立ったとしても、そもそも筋肉をつけるための要素として、筋肉の損傷以外に、メカニカルテンション・代謝ストレスもありますので「筋肉痛がない」→「筋肉が損傷していない」→「筋肉がつかない」とは言い切れません。
「筋肉痛がない」→「筋肉が損傷していない」→「しかし、メカニカルテンション・代謝ストレスの要素により筋肉がつく」ことも十分に考えられるわけです。
少し説明が分かりにくくなりましたが、言い換えると「筋肉痛が来なくてもトレーニングの効果はあります」「トレーニングの効果があるかないかを、筋肉痛が来るか来ないかで判断することはできません」「筋肉痛が来ない = トレーニングの効果がない、は成り立ちません」ということになります。
最後に
今回は「【意味がない?】筋肉痛が来ないとトレーニングの効果がないって本当?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
ただ、最後に1つ強調しておきたい点があるのですが、例えば「重さが軽すぎた」とか「回数・セット数が少なすぎた」とかが原因で、筋肉痛が来なく、結果「筋肉がつかない」ということはあるかもしれません。
ここまで記載してきた内容は、あくまでも「適切なトレーニングをしている」という前提があってのこととお考えいただけると幸いです。
次回作もご期待ください。
参考文献
(1) Delayed onset muscle soreness (DOMS) management: present state of the art