札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「【予備疲労法】事前疲労法のメリットとデメリット トレーニング効果について」というタイトルで記事を書いていきます。
予備疲労法とは?
「特定の筋群に対して単関節運動を行った後に (または直後に) 、同じ筋群を使う多関節運動を実施する」このようなトレーニングテクニックは「予備疲労法」や「事前疲労法」と呼ばれており、筋肉量増加や筋力向上が促進されると考えられています。
大胸筋を例に出すと、下のような感じです。
① 単関節運動:ダンベルフライ 大胸筋をピンポイントで集中的に追い込む。
② 多関節運動:ベンチプレス 上腕三頭筋や三角筋以上に、すでに疲労している大胸筋へ強い刺激が入る。
予備疲労法は、1970年代と今から50年前に提唱されたトレーニングテクニックでありながら、これまでほとんど研究が行われていません。
そんな中つい最近、予備疲労法と従来のトレーニング法の効果を比較した報告がなされました。
予備疲労法 vs. 従来のトレーニング法
Front-Loading Fatigue: Does the pre-exhaustion method influence resistance training-induced muscular adaptations?
この研究では、トレーニング経験のある若年男女を対象に「予備疲労法グループ」と「従来のトレーニング法グループ」に分け、8週間で筋肉量増加や筋力向上にどのような影響が及ぶのかについてを調べています。
まず参加者たちは「予備疲労法グループ」と「従来のトレーニング法グループ」に分けられたわけですが、各グループのプログラムは以下のように設定されました。
・予備疲労法:レッグカールとルーマニアンデッドリフト、レッグエクステンションとスクワットをペアとし、先行する単関節エクササイズを行った直後に、対応する多関節エクサササイズを実施する「先行する単関節エクササイズを行った直後に、対応する多関節エクサササイズを実施する」を1セットとし、2分の休憩を挟んで合計4セット取り組む。
・従来のトレーニング法:レッグカール、ルーマニアンデッドリフト、レッグエクステンション、スクワットの4エクササイズを、2分の休憩を挟んで4セットずつ取り組む。前のエクササイズの全セットが完了した後、次のエクササイズへと進む。
・共通項目:頻度は週2回、扱う重量は8 〜 12回反復できる重さ、各セット限界まで追い込む。
少しややこしいかもしれませんが、大まかな流れを説明すると、
予備疲労法:ハムストリングを鍛える単関節運動のレッグカールからスタート、8 〜 12回反復できる重さを扱い、限界まで追い込む。限界が来たら、すぐさま同じくハムストリングを鍛える多関節運動のルーマニアンデッドリフトに取り組む。これも限界まで追い込みをかける。2分の休憩を挟んだら、また同様の手順でレッグカール ⇨ ルーマニアンデッドリフトを計4往復 (4セット) 。次は大腿四頭筋を鍛える単関節運動のレッグエクステンションからスタート、8 〜 12回反復できる重さを扱い、限界まで追い込む。限界が来たら、すぐさま同じく大腿四頭筋を鍛える多関節運動のスクワットに取り組む。また同様の手順でレッグエクステンション ⇨ スクワットを計4往復 (4セット) 。
従来のトレーニング法:ハムストリングを鍛える単関節運動のレッグカールからスタート、8 〜 12回反復できる重さを扱い、限界まで追い込む。2分の休憩を挟み、これを4セット取り組む。次はハムストリングを鍛える多関節運動のルーマニアンデッドリフトを同様に取り組む。次は大腿四頭筋を鍛える単関節運動のレッグエクステンションに同様に取り組む。最後は大腿四頭筋を鍛える多関節運動のスクワットに同様に取り組む。
このようになっています。
そのため、ここで定義された予備疲労法はスーパーセット的な要素を孕んでおり、一方で従来のトレーニング法は予備疲労法的な要素を孕んでいる印象です。
結果はどうだったのかというと。
・筋肉量増加:統計的に有意ではないものの、わずかに予備疲労法よりも従来のトレーニング法で大きい。
・筋力・パワー・筋持久力などは、両グループで同等の改善。
となったみたいです。
先ほど触れた通り、紹介した研究で採用された予備疲労法はスーパーセット的な要素を孕んでおり、一方で従来のトレーニング法は予備疲労法的な要素を孕んでいる印象です。
スーパーセットは、一般的に種目間の休憩を最小限にして (または全く取らずに) 2つ以上 (または2つ) のエクササイズを連続して行うトレーニングテクニックで、
① 同じ筋が対象 (agonist muscles) :レッグプレス & スクワット どちらも大腿四頭筋
② 関係ない筋が対象 (unalike muscle regions):レッグプレス & チェストプレス 下半身と上半身
③ 拮抗する筋が対象 (opposing muscle regions):チェストプレス & シーテッドロウ 胸と背中
上記3つのパターンが存在しており、ここでは ① が当てはまります。
よって「予備疲労法 vs. 従来のトレーニング法」と見出しをつけていますが、見方を変えると「スーパーセット的な休憩を挟まない予備疲労法 vs. 従来のトレーニングのように休憩を挟む予備疲労法」と言えるかもしれません。
そして結果ですが、
・筋肉量増加:統計的に有意ではないものの、わずかに予備疲労法よりも従来のトレーニング法で大きい。
・筋力・パワー・筋持久力などは、両グループで同等の改善。
このようになりました。
では、なぜこういったデータが得られたのかというと、それはおそらく「ボリューム」に関係があると推測されます。
ボリュームは「総負荷量」を意味しており、要は「トータル何kg持ち上げたのか?」なのですが、予備疲労法と比べ従来のトレーニング法は「145,800kg」に対して「188,500kg」と約30%多かったみたいです。
予備疲労法はレッグカールとルーマニアンデッドリフト、レッグエクステンションとスクワット間に休憩を挟まないため疲労が溜まり、従来のトレーニング法はレッグカール、ルーマニアンデッドリフト、レッグエクステンション、スクワット間に休憩を挟むため疲労がある程度回復し、その影響でボリューム = 筋への刺激に差がついたのでしょう。
そのため、効果の程度を重点に置くのであれば、予備疲労法ではなく従来のトレーニング法を取り入れた方が良いかもしれません。
しかし、所要時間に関しては、予備疲労法は従来のトレーニング法と比べ約35%短縮されます。
まとめると、
・メリット:所要時間の短縮
・デメリット:筋肉量増加の抑制
となりますが、これらを吟味したうえで、予備疲労法か従来のトレーニング法かを選択されるのがよろしいでしょう。
最後に
今回は「【予備疲労法】事前疲労法のメリットとデメリット トレーニング効果について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。