札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「筋持久力とは何ですか? 局所的な疲労が蓄積されにくい身体を作るために」というタイトルで記事を書いていきます。
筋持久力とは何ですか?
まず、筋持久力とは「筋肉が繰り返し収縮し続ける能力」のことを指します。
例えばここに、身長・体重・性別・年齢・腕や脚の長さ、かつベンチプレスの最大挙上重量なども全く同じ2人がいたとして、60%の重量を用い限界まで何回反復できるかに挑戦したところ、こんな感じになったとしましょう。
Aさん | Bさん |
25回 | 40回 |
このとき、筋持久力は「A よりも B の方が高い」「B よりも A の方が低い」と判断可能です。
筋持久力は、先述した通り筋肉が繰り返し収縮し続ける能力 = ある一定時間力を出し続ける能力であるため、旅行で長い距離を歩くとか、マンションの階段を100段上るとか、重たい荷物を知人の家まで運ぶとかの日常をはじめ、マラソンやトライアスロンといったいわゆる「持久系スポーツ」でも非常に重要な基礎となります。
筋持久力を強化することは、生活の質から様々な競技パフォーマンスの向上に繋がると断言しても全く問題ありません。
では、いったいどのようなトレーニングを行えば、筋持久力を効果的に増大させることができるのでしょうか?
高負荷 vs. 低負荷でのトレーニングが筋持久力に及ぼす影響
上の研究では、トレーニング経験のある若年男性を対象に「高負荷グループ」と「低負荷グループ」のいずれかに割り当て、週に3回の頻度で8週間に渡るプログラムを実施し、筋持久力・筋力・筋肉量がどう変化するのかについてを調べています(省略している部分も多々あります)。
採用された種目(ベンチプレス・ミリタリープレス・ラットプルダウン・シーテッドロー・スクワット・レッグプレス・レッグエクステンション)・セット間休憩(90秒)・動作速度(挙上に1秒・下降に2秒)・セット数(3セット)などはグループ間で統一されており、異なる点は「扱う重さ」と「こなす回数」の2つです。
・高負荷グループ:70 〜 80%1RMで8 〜 12回
・低負荷グループ:30 〜 50%1RMで25 〜 35回
両グループとも疲労困憊 = 適切なフォームを維持しながらもう1回も挙げられないところまで追い込み、また食事は特別変えないよう指示されました。
結果は以下の通りです。
高負荷 | 低負荷 | |
上腕二頭筋の厚み | + 5.3% | + 8.6% |
上腕三頭筋の厚み | + 6.0% | + 5.2% |
大腿四頭筋の厚み | + 9.3% | + 9.5% |
ベンチプレスMAX重量 | + 6.5% | + 2.0% |
スクワットMAX重量 | + 19.6% | + 8.8% |
ベンチプレスのMAX回数 | − 1.2% | + 16.6% |
・上腕二頭筋の厚み、上腕三頭筋の厚み、大腿四頭筋の厚み = 筋肉量は両グループで有意に増加し、グループ間で差は見られなかった。
・ベンチプレスMAX重量、スクワットMAX重量 = 筋力は高負荷グループの方で大きな増加が見られた。
・ベンチプレスのMAX回数 = 筋持久力は高負荷グループで変化がなかったものの、低負荷グループで有意な増加が見られた。
つまり、筋肉量はグループ間で同等・筋力は高負荷が有利・筋持久力は低負荷が有利、とまとめられます。
※ 今回の記事は筋持久力に焦点を当てた内容であり、ここからは「ベンチプレスのMAX回数」にのみ触れていきます。
先ほど紹介した研究では、筋持久力をベンチプレスのMAX回数(厳密にはボリューム)で評価しており、これは「介入前 & 介入後における50%1RMでの最大反復回数」のことです。
わかりやすくするため適当な数値で説明をしますが、トレーニングによって高負荷グループと低負荷グループのベンチプレスMAX重量は、とりあえず下のように増えたとしましょう。
高負荷 | 低負荷 | |
介入前 | 100kg | 100kg |
介入後 | 120kg | 105kg |
そして、筋持久力の評価では「介入前 & 介入後における50%1RM」の重さを扱っているため、
高負荷 | 低負荷 | |
介入前 | 50kg | 50kg |
介入後 | 60kg | 52.5kg |
上記の重量を用い最大反復回数 = 限界まで何回反復できるかを計測した感じです。
その結果こうなりました、
高負荷 | 低負荷 | |
介入前 | 50kgで20回できた トータル1,000kg | 50kgで20回できた トータル1,000kg |
介入後 | 60kgで18回できた トータル1,080kg | 52.5kgで30回できた トータル1,575kg |
みたいにイメージしていただければ大丈夫かと思われます。
似たような報告はいくつもなされているのですが、筋持久力の増大を目的にトレーニングを行う場合は、20 〜 30回以上反復できる低負荷が効果的な印象を受けます。
低負荷でのトレーニングはイコール高回数でのトレーニングとも取れ、そういった刺激が筋持久力、すなわち筋肉が繰り返し収縮し続ける能力 = ある一定時間力を出し続ける能力に貢献するに違いありません。
最後に
今回は「筋持久力とは何ですか? 局所的な疲労が蓄積されにくい身体を作るために」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
ちなみに、ここまでの話を聞くと「マラソンやトライアスロンといったいわゆる持久系スポーツのパフォーマンスを向上させるためには、低負荷でのトレーニングが有効だな!」とお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は案外そうとも言えません。
結論だけお伝えすると真逆で、持久系スポーツのパフォーマンスを向上させるためには、高負荷でのトレーニングがベターになります。
これに関しては、また別のブログで詳しく解説をする予定です。
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。