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トレーニング

プリーチャーカール vs インクラインカール 腕を鍛える効果はどっちが上?

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

解剖学の用語に「近位」「遠位」という言葉があります。

それぞれ「きんい」「えんい」と読むのですが、ある特定の部位を対象に、近位は身体の中心に近い部分、遠位は身体の中心から遠い部分を指しており、

右腕の上腕二頭筋を例に取ると、赤が近位、青が遠位です。

今回は「プリーチャーカール vs インクラインカール 腕を鍛える効果はどっちが上?」というタイトルで記事を書いていきます。

プリーチャーカール vs インクラインカール

Distinct muscle growth and strength adaptations after preacher and incline biceps curl

研究内容をザックリ書き出します。

未経験者を「プリーチャーカールグループ」と「インクラインカールグループ」に分け、週2回の頻度で8週間に渡りトレーニングを実施した。

8 〜 12回できる重さで限界までを3セット、セット間休憩時間は2分とした。

トレーニング前後で、上腕二頭筋の近位・中間・遠位、およびプリーチャーカールとインクラインカールの挙上重量がどのように変化するのかを調べた。

プリーチャーカールインクラインカール
上腕二頭筋近位+ 8.3%+ 11.2%
上腕二頭筋中間+ 9.3%+ 8.6%
上腕二頭筋遠位+ 10.3%+ 6.4%
プリーチャーカール重量+ 51.5%+ 35.1%
インクラインカール重量+ 23.7%+ 30.6%

結果は下記の通り。

・上腕二頭筋の近位は、プリーチャーカールよりもインクラインカールの方で有意に増加した。
・上腕二頭筋の中間は、プリーチャーカールとインクラインカールで同等に増加した。
・上腕二頭筋の遠位は、プリーチャーカールの方でインクラインカールよりも有意に増加した。
・プリーチャーカールの挙上重量は、プリーチャーカールの方でインクラインカールよりも有意に増加した。
・インクラインカールの挙上重量は、プリーチャーカールよりもインクラインカールの方で有意に増加した。


この研究では、未経験者をプリーチャーカールグループ・インクラインカールグループの2つに分け、週2回の頻度で8週間に渡りトレーニングを実施し、上腕二頭筋の近位・中間・遠位 (筋肉量) 、プリーチャーカールとインクラインカールの挙上重量 (筋力) がどのように変化するのかについてを調べています。

下の写真において、上腕二頭筋の近位・中間・遠位は50%・60%・70%、プリーチャーカールは a 、インクラインカールは b です。

よって、どちらのエクササイズも肘関節を屈曲 (肘を曲げる) 際に負荷が生じる点は同じですが、プリーチャーカールは腕を身体の前に位置させるのに対し、インクラインカールは腕を身体の後ろに位置させており、プリーチャーカールは上腕二頭筋がギューッとより縮む一方、インクラインカールは上腕二頭筋がビキーッとより伸ばされる、と捉えていただければ問題ないかと思います。

そして結果ですが、まず筋肉量に関しては、

・上腕二頭筋の近位は、プリーチャーカールよりもインクラインカールの方で有意に増加した。
・上腕二頭筋の中間は、プリーチャーカールとインクラインカールで同等に増加した。
・上腕二頭筋の遠位は、プリーチャーカールの方でインクラインカールよりも有意に増加した。

となりました。

つまり、プリーチャーカールは肘に近い部分を、インクラインカールは肩に近い部分を肥大させるのに効果的と言えます。

次に筋力ですが、

・プリーチャーカールの挙上重量は、プリーチャーカールの方でインクラインカールよりも有意に増加した。
・インクラインカールの挙上重量は、プリーチャーカールよりもインクラインカールの方で有意に増加した。

となっており、これはその動作の特異性・熟練度が出たものと推測されます。

個人的な感想

プリーチャーカールとインクラインカールは、どちらも上腕二頭筋を強化できる非常に人気のエクササイズであり、これまでトレーニーの間では、効果にどのような違いが出るのか度々議論されてきました。

もっとも、

・プリーチャーカール:常に掌を上に向けた状態でダンベルを使用。台は30°に傾斜させ肩関節は45°前方に屈曲。肘を完全に伸ばしたところからスタートし120°曲げたらストップ。
・インクラインカール:常に掌を上に向けた状態でダンベルを使用。台は45°に傾斜させ肩関節は30°後方に伸展。肘を完全に伸ばしたところからスタートし120°曲げたらストップ。

このような指定がされており、例えば動作中に手首を回すとか、台の傾斜角を急にするとか、肘関節の可動域を変えるとか、これとは異なった条件であれば、また異なった結論になっていた可能性も考えられます。

そのため、先ほど紹介した研究結果が、皆様のトレーニングにもそっくりそのまま当てはまるとは限りません。

しかしながら経験論としては、たとえ動作中に手首を回そうと、台の傾斜角を急にしようと、肘関節の可動域を変えようと、プリーチャーカールとインクラインカールでは、より肥大する箇所が違う印象です。

そのため、上腕二頭筋を最大限発達させたいのであれば、プリーチャーカールやインクラインカールをはじめ、スパイダーカール・ハイケーブルカール・オーバーヘッドケーブルカールなど「腕を身体に対してどこに位置させるか?」のバリエーションを複数取り入れてみるのも良いかと思います。

最後に

今回は「プリーチャーカール vs インクラインカール 腕を鍛える効果はどっちが上?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

ちなみに、個人的にはインクラインカール・ごく一般的なスタンディングでのストレートバーベルカール・オーバーヘッドケーブルカール、以上3種目の組み合わせが最強だと感じています。

しかし、1種目だけ選ぶとするのであれば、やはりストレートバーベルカールでしょうか。

次回作もご期待ください。



札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。


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