札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
今回は「繰り返し効果・RBEとは? 筋肉痛が出にくくなる現象 “Repeated Bout Effect” について」というタイトルで記事を書いていきます。
RBE “Repeated Bout Effect”
この研究では、少なくとも過去1年間に渡ってトレーニング経験のない若年男性を対象に、上腕のエキセントリック運動を4週間ごとに4回実施し、その後の筋力・可動域・筋肉痛などがどのように変化するのかについてを調べています。
上腕のエキセントリック運動は、ザックリ「二の腕をターゲットにしたメチャクチャ激しいトレーニング」だと捉えていただければ問題ありません。
大まかな流れですが、
第1回目:4月1日にトレーニング、その後の筋力・可動域・筋肉痛などを調べる
第2回目:5月1日にトレーニング、その後の筋力・可動域・筋肉痛などを調べる
第3回目:6月1日にトレーニング、その後の筋力・可動域・筋肉痛などを調べる
第4回目:7月1日にトレーニング、その後の筋力・可動域・筋肉痛などを調べる
こんなイメージになります。
まずは筋力です。
上のグラフは、トレーニング前 (pre) とその後の筋力、つまり「どれだけ大きな力を発揮できるか?」を表したもので、1stは第1回目、2ndは第2回目、3rdは第3回目、4thは第4回目のトレーニングを示しています。
どの回でも、トレーニング後は有意な筋力の低下が確認されますが、しかしながらそのリカバリー速度には差が見られ、第1回目は120時間経過してもベースラインに戻らなかったのに対し、第2回目は120時間、第3回目は96時間、第4回目は48時間で回復したとのことです。
次は可動域です。
久しぶりにハードなトレーニングを行った次の日なんかは、腫れや痛みで関節の動く範囲が制限されることがありますが、この可動域はそれを測定しています。
運動直後はどの回も可動域の低下が見られていますが、第1回目・第2回目・第3回目と比較し、第4回目は有意にその低下量が小さかったみたいです。
1st | − 15 ± 3° |
2nd | − 8 ± 2° |
3rd | − 8 ± 2° |
4th | − 4 ± 1° |
また、リカバリー速度にも違いが認められ、第1回目・第2回目は120時間経過してもベースラインに戻らなかったのに対し、第3回目・第4回目は96時間以内に回復しています。
最後は筋肉痛です。
これは触診された際の筋肉痛レベルを数値化しており、数が大きくなればなるほど激痛へと近づきます。
各回における筋肉痛のピークは24 〜 48時間で達している点は同じですが、やはりこちらも回ごとで異なり、痛みレベルは第1回目が有意に大きかったようです。
まとめると「トレーニングを継続して行うことで、筋力・可動域・筋肉痛などを保護するような適応が生じた」と言えます。
おそらく皆様にもこういったご経験があるはずですが、特に筋肉痛におけるこのような現象は「リピーテッドバウトエフェクト (Repeated Bout Effect) 」通称「RBE」と呼ばれています。
日本語に直すと「繰り返し効果」です。
繰り返し効果に関与するメカニズムとしては、神経的適応・機械的適応・細胞的適応の3つが可能性として挙げられており、ハッキリしたことは今現在もあまりよくわかっていません。
私は単純に「仕組みは詳しく知らないけど、要は慣れるってことね」程度に考えています。
繰り返し効果の存在を把握しておけば、トレーニングの質を高めることに繋がります。
例えば、スケジュールの関係で今月残り3回ジムに通えるとして、でも最近まともな運動ができていなかった場合、
① 今週月曜日・今週木曜日・来週月曜日
② 今週月曜日・来週月曜日・来週木曜日
上記2パターンの候補があったとすると ① よりかは ② を選択するのが望ましいはずです。
① だと、1回目の月曜日に強い疲労や筋肉痛が起こると推測され、3日後の木曜日にはまだ完全回復していないでしょう。
② だと、1回目の月曜日に強い疲労や筋肉痛が起こると推測されますが、次の月曜日まで中1週間の期間を挟むことになるため、完全とまではいかなくともほぼ全快に向かうはずで、かつ2回目には繰り返し効果が期待でき、3回目の木曜日は体調が整っていることでしょうから。
最後に
今回は「繰り返し効果・RBEとは? 筋肉痛が出にくくなる現象 “Repeated Bout Effect” について」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。