札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。
先日、お客様にトレーニングを指導していた際、セットの途中で眼鏡が汗でズレてしまい、8回反復する予定のところを一旦5回目で止め、再度掛け直し、残っている3回を完遂していただきました。
通常であればノンストップで8回を実施するのですが、このときは仕方なくプチ休憩を挟んで合計8回実施したことになります。
この2つの状況、効果に違いは出るのでしょうか?
今回は「ノンストップ vs. プチ休憩 セットの追い込み具合でトレーニングの効果は変わる?」というタイトルで記事を書いていきます。
ノンストップ vs. プチ休憩
The Impact of Metabolic Stress on Hormonal Responses and Muscular Adaptations
この研究では、トレーニングの経験はあるが現在取り組んでいない若年男性を対象に「セットをノンストップで行うグループ」と「セット中にプチ休憩を挟むグループ」の2つに分け、効果にどのような影響が及ぶのかについてを調べています。
※ 本当はコントロールグループも用意しているのですが、説明をわかりやすくするため省略しています。
両グループとも、ウエイトスタック式のマシンを使用したラットプルダウン・ショルダープレス・レッグエクステンションが採用され、ラットプルダウンとショルダープレスは3セット・レッグエクステンションは5セット、各セット10RMの負荷を扱い10回、セット間および種目間には1分の休憩時間を設けました。
異なる点は「ノンストップで行う」か「プチ休憩を挟む」かで、後者は5回目と6回目の合間に30秒の休息を組み込んでいます。※ イラスト上がノンストップ、イラスト下がプチ休憩
それ以外の動作速度やウォームアップメニュー等変数は全て統一し、週2の頻度で12週に渡り実施されたとのことです。
結果、以下のようになりました。
ノンストップ | プチ休憩 | |
大腿四頭筋断面積 | + 12.9% | + 4.0% |
ショルダープレス挙上重量 | + 29.2% | + 21.1% |
レッグエクステンション挙上重量 | + 66.4% | + 39.0% |
・大腿四頭筋断面積は、ノンストップがプチ休憩よりも有意に大きく増加した。
・ショルダープレス挙上重量は、両グループで有意に増加しグループ間で差は見られなかった。
・レッグエクステンション挙上重量は、ノンストップがプチ休憩よりも有意に大きく増加した。
よって「セットをノンストップで行うグループ」と「セット中にプチ休憩を挟むグループ」とでは、前者の方がトレーニングの効果は大きかったとまとめられます。
セットをノンストップで行うグループは「より追い込むグループ」セット中にプチ休憩を挟むグループは「あまり追い込まないグループ」とも取れるため、トレーニングの効果は追い込みをかけることで大きくなるとも言えるでしょう。
一般的に、筋肥大 = 筋肉量の増加は「物理的な刺激」と「化学的な刺激」この2つの刺激によって引き起こされると考えられています。
かなりザックリとした解説ですが、物理的な刺激は「筋に負荷が生じ力を発揮すること」化学的な刺激は「筋に代謝産物が蓄積されること ≒ パンプ」だと捉えていただければ問題ありません。
先ほど紹介した研究では、扱う重さ・反復する回数等は全て統一されていたため、物理的な刺激は同じになると判断でき、一方トータルのインターバルはグループ間で異なり、要は「追い込み具合」が異なるため、化学的な刺激は別物になると判断できます。
実際、代謝産物の指標として血中の乳酸・ホルモン濃度も計測されているのですが「セットをノンストップで行うグループ」と「セット中にプチ休憩を挟むグループ」とでは、前者の方が乳酸やエピネフリンは多く分泌されていたみたいです。
冒頭の話題に戻りますが、
「先日、お客様にトレーニングを指導していた際、セットの途中で眼鏡が汗でズレてしまい、8回反復する予定のところを一旦5回目で止め、再度掛け直し、残っている3回を完遂していただきました。通常であればノンストップで8回を実施するのですが、このときは仕方なくプチ休憩を挟んで合計8回実施したことになります」
上記状況下においては、先述したデータを元にすると、極論トレーニングの効果は落ちると推測できるでしょう。
とは言えど、何セットもあるうちのたった1セットに過ぎず、ほんの数秒程度の出来事ですので、無視しても全く大丈夫なレベルかとは思います。
所感
こういった類の研究はいくつか実施されているのですが、必ずしも一致した見解は得られておらず、逆にノンストップで行うよりもプチ休憩を挟む方が、トレーニングの効果は大きかったとする報告もあります。
このような違いが出た原因をハッキリ断言することはできませんが、個人的な経験論としては、おそらくやり方が関係しているであろうという印象です。
仮に「10kg・10回・3セット・セット間休憩1分」というメニューにおいて、3セット目の10回目でちょうどピッタリ限界が来るとしましょう。
このとき、
① 10kg・10回・3セット・セット間休憩1分
② 10kg・10回・3セット・セット間休憩1分 ※ ただし5回目と6回目の合間に30秒の休息
のような2つのパターンでは、化学的な刺激の観点から前者の方がトレーニングの効果は大きくなると考えられます。
しかし、
① 10kg・10回・3セット・セット間休憩1分
③ 11kg・10回・3セット・セット間休憩1分 ※ ただし5回目と6回目の合間に30秒の休息
④ 10kg・14回・3セット・セット間休憩1分 ※ ただし7回目と8回目の合間に30秒の休息
のような3つのパターンでは ③ および ④ の方がトレーニングの効果は大きくなる可能性が考えられます。
つまり、プチ休憩を挟むという状況を活用して、例えばその分扱う重さ・反復する回数等を増大させれば、それが物理的な刺激の増大にも繋がり、トレーニングの効果が大きくなるケースもあり得るかもしれないということです。
最後に
今回は「ノンストップ vs. プチ休憩 セットの追い込み具合でトレーニングの効果は変わる?」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?
次回作もご期待ください。
札幌市近郊にお住いの方は、
ぜひ フィットメソッド をご利用ください。