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トレーニング

【筋トレ知識】ピリオダイゼーションとは? トレーニングの効果を高めるために

札幌市中央区東本願寺前駅にある、初心者向けスポーツジム フィットメソッドです。

トレーニングの効果は、扱う重量や反復する回数など、様々な変数の組み合わせ方によって決定されます。

Differential Effects of Heavy versus Moderate Loads on Measures of Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men

例えば ⇧ の研究では、経験者を対象に「高重量・2 〜 4回グループ」と「中重量・8 〜 12回グループ」を作り、週3回の頻度で計8週間のトレーニングを実施したところ、両グループともに筋力・筋肉量の増加が確認されましたが、筋力の増加は高重量・2 〜 4回グループで、筋肉量の増加は中重量・8 〜 12回グループでより大きくなりました。

そのため、筋力を増やしたいのであれば高重量を、筋肉量を増やしたいのであれば中重量をメニューに組み込むべきだと考察できます。

しかし、同じメニューをずっと繰り返すだけでは、その刺激に慣れが生じてしまい、いずれは効果が弱まってしまう恐れが考えられるため、継続してより大きな結果 (筋力・筋肉量の増加) を出し続けるには、扱う重量や反復する回数など、様々な変数を定期的に変えなくてはなりません。

つまり、トレーニングプログラムを「一定期間ごとに変化させる」わけです。

この手法は「ピリオダイゼーション (periodization) 」と呼ばれており、日本語では一般的に「期分け」と訳されます。

今回は「【筋トレ知識】ピリオダイゼーションとは? トレーニングの効果を高めるために」というタイトルで記事を書いていきます。

概要

ピリオダイゼーションは、もともと「アスリート用のトレーニング計画」として発達・体系化されてきました。

その概念は、遡ると古代ギリシャ オリンピア競技まで行き着くそうです。

選手たちが、試合で最高のパフォーマンスを発揮するためには、その日に向けて身体能力を高めるだけでなく、疲労もコントロールしておく必要があります。

極端な例ではありますが、今日から1週間後「スクワットで何kg持てるかに挑戦だ!」とした時、

プラン Aプラン B
6日前ガッツリ筋トレ休息
5日前休息休息
4日前ガッツリ筋トレ休息
3日前緩めに筋トレ (フォームチェック)緩めに筋トレ (フォームチェック)
2日前休息ガッツリ筋トレ
1日前休息ガッツリ筋トレ
本番

こんな2つのプランがあったとすると、まず間違いなくプランAの方が重量を上げることができるはずです。

プランAでは、6日前と4日前にトレーニングを行うことで筋力を高めておき、2日前から完全な休養を取ることで疲労がほぼ溜まっていない状態にて本番に臨むことができます。

しかしプランBでは、2日前と1日前にトレーニングを行っているため、筋力そのもの自体は高まっているでしょうが、疲労も相当溜まっている状態にて本番に臨むことになります。

アスリートの場合は、これよりもっともっと複雑になるのですが、根本的な部分・考え方は同じです。

「試合で最高のパフォーマンスを発揮するためのアスリート用のトレーニング計画」これがピリオダイゼーションの本質であり、その特徴として「トレーニングプログラムの一定期間ごとにおける変化」があります。

フィットネスへの応用

先述したように、ピリオダイゼーションはアスリートのために発達・体系化されてきた手法であり、それを深く理解するには専門的な知識が必要になります。

ピリオダイゼーションにはいくつかの「型」が存在し、その中の1つに「ブロック・ピリオダイゼーション」と呼ばれるモデルがあるのですが、これは、

2 〜 4週間のメゾサイクルを1つのブロック、かつ基本単位とし、それは蓄積 (Accumulation) ・転換 (Transmutation) ・現実化 (Realization) の3種類から構成され、その3ブロックを連結させたものをトレーニングステージ、その後に試合が来るような配置をする。蓄積ブロックは、有酸素性持久力や筋力など、長期の残存効果を持つ基礎的な運動能力の獲得を目標とし、転換ブロックは、無酸素性持久力や専門的筋持久力など、短期の残存効果を持つ専門的な運動能力の獲得を目標とし、そして現実化ブロックでは、最終的な目標である試合に最高のコンディションを合わせるため、残存効果の非常に短い最大スピード等の獲得を目標とする。

参考文献:公益財団法人日本陸上競技連盟 陸上競技研究紀要 第9巻,27-31,2013

みたいな内容で、私も一瞬戸惑うものです。

しかし、ピリオダイゼーションの特徴である、トレーニングプログラムの一定期間ごとにおける変化であったり、各モデルのコンセプトを把握すれば、また、異なるピリオダイゼーションモデルが、筋力・筋肉量の増加にどのような影響を及ぼすのか?を調べた研究はいくつも実施されており、それらを読み込めば、語弊があるかもしれませんが、いわゆる「フィットネス」にも十分に応用が利きます (1) (2) (3) (4) etc.。

そのため、ここからは試合を控えるアスリートではなく、ダイエットやボディメイク等を目的とした、一般のトレーニング愛好家の方々にオススメできるモデルを、当ジムの指導経験やオリジナリティを加えて紹介していきます。

3つのモデル

当ジムがオススメするピリオダイゼーションのモデルは3つあり、1つ目が「日ごと」2つ目が「週ごと」3つ目が「月ごと」です。

そして、それぞれのモデルは3つのトレーニングプログラムから構成され、詳細と注意点は下記をご覧ください。


① 高重量プログラム:おおよそ85%1RM以上・3 〜 6回・3セット以上・休憩時間は3分前後
② 中重量プログラム:おおよそ70 〜 80%1RM前後・8 〜 12回・3セット以上・休憩時間は2分前後
③ 低重量プログラム:おおよそ65%1RM以下・15 〜 20回・3セット以上・休憩時間は1分前後
※ 原則として、適用するエクササイズはスクワット・ベンチプレス・デッドリフトなど重量を扱える多関節系種目
※ ラストセットは追い込んでも良いが、それ以外のセットは少し余力を残して終了
※ 流れは ① ⇨ ② ⇨ ③ を基本とし、③ ⇨ ① の間には1週間程度の回復期を取り入れても可
※ 週1頻度でトレーニングを行う場合は、必然的に日ごと = 週ごとになり回復期を取り入れる必要はない
※ 週2以上の頻度でトレーニングを行う場合は、月ごとよりも週ごと、週ごとよりも日ごと、の方が効果を高めてくれる可能性が考えられる
※ 必ずしも、各トレーニングプログラムの実施割合を「1:1:1にしなければダメ!」というわけではなく「2:1:1」みたいに差を付けてもOK
・高重量プログラムの主な目的:最大筋力の向上
・中重量プログラムの主な目的:最大筋力の向上 & 筋肥大
・低重量プログラムの主な目的:筋肥大


あとは、この3つのトレーニングプログラムを、日ごと・週ごと・月ごとで入れ替えていきます。

例えば、月・木の週2頻度で週ごとを採用したとすると、

week1 月・木高重量
week2 月・木中重量
week3 月・木低重量
week4 月・木高重量 or 回復

こんな感じです。

最後に

今回は「【筋トレ知識】ピリオダイゼーションとは? トレーニングの効果を高めるために」というタイトルで記事を書いてきましたがいかがだったでしょうか?

ちなみに、先ほど紹介した当ジムがオススメするピリオダイゼーションのモデルは、あくまでもガイドラインに過ぎません。

例えば「今日のトレーニングプログラムは、スクワットが高重量・ベンチプレスが中重量・デッドリフトが低重量」みたいに、各エクササイズで分けるのもアリです。

高重量・中重量・低重量、3つのトレーニングプログラムを取り入れていただければ、大きな問題は一切生じませんので、いろんなパターンに挑戦し、ご自身に合ったやり方を探ってみるのも面白いかと思います。

次回作もご期待ください。

 

参考文献

(1) Is stronger better? Influence of a strength phase followed by a hypertrophy phase on muscular adaptations in resistance-trained men

(2) Comparison between linear and daily undulating periodized resistance training to increase strength

(3) Modified Daily Undulating Periodization Model Produces Greater Performance Than a Traditional Configuration in Powerlifters

(4) Short-Term Effects of Different Loading Schemes in Fitness-Related Resistance Training

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